13日にガンバ大阪から加入したヴィッセル神戸FW長沢駿(29)が、湘南ベルマーレ戦に先発してデビューを果たし、前半37分にMF三田啓貴(27)の先制ゴールをアシストするなど早速、勝利に貢献した。

 長沢は前半37分、スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(34)の浮き球パスを頭で落とすと、走り込んだ三田が左足の切り返しでDF2人をかわし、左足で豪快に決めた。「(イニエスタが自分を)見てくれていた。タマ(三田)が入ってくるのが見えていたので、うまく落とせればいいなと…あれは狙い通りだった。タマは個人技で、うまくタメを作ってくれた。それは彼の実力だと思うし。チームの勝利に貢献できて良かった」と安堵(あんど)したように笑みを浮かべた。

 13日にG大阪から期限付き移籍で加入し、14日に神戸の練習に初参加した。イニエスタと元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキ(33)とともにプレーした感想を聞かれると「やはりボールも持てるし、裁けるし、自分が動き出せれば出してくれるかなと。2回くらいしか一緒に練習していないので、そういう部分は、分かってもらえていないかなと。僕自身、確かめながらというところはあった」と説明。「通訳を通してですけど、話しましたが、話すよりサッカーをプレーした方が楽しかった」とも語った。

 イニエスタと、G大阪の元日本代表MF遠藤保仁(38)との違いを問う質問も飛んだ。長沢は「ヤットさん(遠藤)は、1つ後ろのポジションですし…2人ともすごい選手ですし、2人の選手と一緒にやれたのを経験として自分のサッカー人生にプラスにしたい」と語った。

 加入から日は浅いながら「今日は、非常にやりやすかった」と神戸への好感触も口にした。吉田孝行監督(41)からは「自分が好きなように動いてやっていい」と言われていたという。「ボールを受けた時、サポートがメチャクチャ早かったですし、自分が頑張れば、誰かがサポートしてくれる」と手応えを口にした。一方でフル出場しながらシュートを1本も打てず「苦しい時間はありましたけど…ただ正直、自分の中でシュートが1本もないのは話にならない」と自らにダメ出しした。【村上幸将】