順大が、川崎フロンターレ加入が内定しているFW旗手怜央(3年=静岡学園)の2発で関大を下し、ベスト8にコマを進めた。

関大は開始直後にPKを獲得するも、MF塩谷仁(4年=磐田ユース)が順大GK佐藤久弥(2年=東京Vユース)にストップされ先制を逃す。旗手は「久弥(佐藤)が止めて、これで流れが来ると思った。まず1本目を仕留めようと思った」。

旗手の読み通り、順大は前半37分、旗手を起点にFW三国スティビアエブス(2年=青森山田)が左サイドをえぐりマイナスクロス。ゴール前に走り込んだ旗手が豪快に左足でネットに突き刺し先制に成功した。旗手は「相手をしっかり見て。落ち着いて空いてるところを打ちました」。後半は立ち上がりに失点も、後半12分には、再び旗手がエースの仕事を果たした。DF柳沢亘(4年=八千代松陰)右サイドを崩し、グラウンダーのクロス。FW三国がゴール前にいたが、旗手が「スルー」と三国に声をかけ、フリーの状態で右足シュート。この日2点目を決めた。「あそこでエブス(三国)が打つより、自分の方が確実だと。エブスが引きつけてくれたのでありがたかった」と振り返った。

旗手は東京五輪世代のU-21日本代表でもプレー。昨季までは自身が仕掛けてゴールを狙う場面が多かったが、この日は味方を使って、ゴール前に入り決定的な仕事をする場面が目立った。旗手は「今季のシーズン前から意識していた部分。人を使って最後、自分が中に入って点を決めることを課題にしていた。今日は1試合を通して体現できたと思う」と手応えを口にした。シュートの場面では2本とも冷静にGKが届かない場所を狙い澄まして決めきった。日々の練習ではGK佐藤を相手にシュート練習に励んでいる。「久弥(佐藤)は大学でもトップレベルのキーパー。彼の手に触られないで決めることを意識して練習してきた。これが、本番につながっている」。

夏にはU-21日本代表としてアジア大会を経験。代表活動を通じ「シュートの精度、オフの動き、連係、守備も全部、課題がみつかった。大学でできても代表でできないことはたくさんある。そのギャップはあるけど、常に高いレベル目指してやらないと」と上を見据える。次戦は、関東大学リーグ覇者の早大とベスト4をかけて対戦する。リーグ戦では2敗しており、旗手は「この大会まで取られたくないのでしっかり頑張りたい」と話した。