25日から始まる第99回天皇杯全日本サッカー選手権の開幕記者会見および天皇杯返還式が13日、都内のJFAハウスで行われ、前年度王者浦和レッズのDF宇賀神友弥(31)とオリベイラ監督(68)が新国立競技場での連覇を誓った。

同競技場は11月末完成予定で、来年元日開催の天皇杯決勝での使用が対外的に行う初のスポーツ競技大会となる。宇賀神は「出場する全ての選手が決勝に出たいと思っている。こんなに素晴らしい機会はない」と意気込んだ。オリベイラ監督も「私は天皇杯を(鹿島監督時代含め)三つとったが、十分だと思っていないし、4つ目をとりたい。新国立競技場での決勝開催で、その気持ちはさらに高まっています」と話した。

宇賀神はJ1ベガルタ仙台と対戦した昨年度決勝で、優勝を決める得点を挙げた。当時について「人生の中でも貴重な経験ができたんじゃないかなと思います。(ゴール時は)時が止まったかのような瞬間でしたし、そういう瞬間はサッカー選手である間に何回か訪れると思いますけど、まさにその1回だったのかなと思います」と振り返った。 するとオリベイラ監督が「宇賀神の重要な場面はあの得点だけではありませんでした」と切り出し、「私たちが決勝に進めたのは準決勝で宇賀神がボールをゴール前で書き出したシーンがあったから。ですので、スーパーゴールだけでなく守備でも貢献したということで、その存在は非常に大きかった」とたたえた。これには宇賀神も笑みをこぼし「ありがとうございます」と感謝した。

浦和にとっては今大会で優勝を果たせば、慶応BRB(慶応クラブ、全慶応時代含む)と並んで大会歴代最多タイの8度目の栄冠にもなる。宇賀神は「歴史に残る偉業を成し遂げたい」と力を込める一方、2回戦で対戦する可能性のある母校の流通経大を「非常に怖い」と警戒。「僕も大学生の時にガンバ大阪と戦う機会がありましたが(アマチュアチームの)絶対勝ってやるぞという気持ちは計り知れない。失うものがないというのはすごく強いと思いますし、それ以上の気持ちを持って戦うことを意識したい」と“ジャイアントキリング”阻止も誓った。

大会には各都道府県代表47チームとアマチュアシードの法大、2回戦から登場するJ1、J2の計40クラブを合わせた88チームが出場する。優勝チームにはACL出場権と、賞金1億5000万円などが贈られる。