J1ベガルタ仙台は新監督候補を木山隆之氏(47)に一本化したことが11日、分かった。この日、J2山形が今季まで3年間指揮を執った木山氏の契約満了による退任を発表した。仙台は正式に同監督の招聘(しょうへい)に乗りだし、条件面などの本格的な交渉に入る。早ければ今週末にも新体制が発表され、「木山ベガルタ」が誕生する。

仙台は9日、チームを6季率いた渡辺晋監督(46)の退任を発表し、後任選びに着手していた。木山氏は今季、昨季12位から6位に山形を躍進させた。J1昇格は逃したが、参入プレーオフ(PO)2回戦まで導いた。堅守をベースに前半戦21試合で13失点と首位ターン。後半戦は一時失速する時期もあったが、自動昇格圏を終盤まで争った。若手を積極的に抜てきして、大卒ルーキーのFW坂元をリーグ、PO全試合で起用。24歳のDF熊本や22歳のMF柳も主力に成長させて、チームの底上げを図った。

木山氏は山形の広報を通して「チームを率いて3年目の今年、『必ず昇格する』という気持ちで、全身全霊取り組んでまいりました。結果、POには進出できましたが、J1に昇格はできませんでした。選手たちはこの経験を糧に、さらに進化し、昇格してくれると信じています。ベンチから見た青と白の皆さんの姿は忘れません。チームを離れますが、これからもモンテディオ山形へのご声援をよろしくお願いいたします。3年間、本当にありがとうございました」とコメントした。

◆木山隆之(きやま・たかし)1972年(昭47)2月18日、兵庫県生まれ。筑波大卒業後、94年にG大阪入り。札幌、水戸でDFとしてプレーし02年に引退。03年に指導者に転身し、筑波大監督に就任。Jリーグでは08~10年に水戸、12年に千葉、15~16年に愛媛、17~19年に山形の監督を歴任。監督としてJ2通算142勝110分け129敗。