J1大分トリニータで5年目の指揮を執る片野坂知宏監督(48)が、16日開幕のルヴァン杯から「勝ちにこだわる」と強気を見せた。

11対11の実戦形式練習などを行った13日。練習後取材に応じ、昨季1次リーグ敗退したルヴァン杯へ「予選突破を目標にやりたい。いい形でリーグ開幕戦(22日、対C大阪)につなげられれば」と、さらなる高みへ気合十分だった。

その上で、16日に敵地で戦う湘南の印象については「主力がだいぶ抜けたが、J1経験のある選手が入っている。やってみないと分からないが、スタイルとしてハードワークは継承されているのでは」という。だが大分も「戦力は去年より上積みされた」と言い、「勝てるメンバーを組みたい」と必勝を期した。

1月10日の新体制発表で、昨季勝ち点55、得点45、失点29で6位だった広島をモデルに掲げ「勝ち点55、得点50、失点35を目指す」と目標設定してから約1カ月。その間、鹿児島キャンプなどで昨季9位と健闘した高いボール支配率で、相手の変化を見て主導権を握るスタイルをさらに向上させてきた。昨夏以降、他チームに研究されたことで伸び悩んだ得点不足解消のため、戦術オプションも複数加えられたという。

ただ行く手は険しい。ACLのハイライト映像を見たという指揮官は「強いです。東京も横浜も神戸も力がある」と、強烈なインパクトを受けたのも確か。それでも負けるつもりはない。「このリーグ(J1)では力の差はあると思うが、戦術や戦い方次第で格上相手にも戦えると思う。そこにチャレンジしていきたい」と話した。

補強費はJ1下位クラスで、外国人選手は韓国人GKムン・キョンゴン(25)のみ。そんな“純国産”の地方クラブではあるが、J1で2年目も強豪を苦しめる大分旋風を起こす覚悟だ。【菊川光一】