J1ベガルタ仙台の守備の要が帰ってきた。6月の練習中に右膝靭帯(じんたい)を損傷し、長期離脱していたDFシマオ・マテ主将(32)が26日、アウェー広島戦(29日)に向けた全体練習に合流。笑顔と厳しい表情を織り交ぜ、負傷明けを感じさせない動きを披露した。

また2月に母国スペインで右膝半月板を手術したMFイサック・クエンカ(29)も、別メニューながら復帰へ1歩ずつ前進している。

フルメニューを消化したマテは「全体練習に加わるのを目標にしていたので、うれしく思う」。仙台はリーグ戦11試合で18失点と守備で苦戦中なだけに「ゲーム感覚は今のところ悪くない。試合に出てチームを助ける準備はできているので、またプレーすることを心待ちにしている」。今季の出場はルヴァン杯初戦と開幕戦の2試合のみだが、実戦復帰が近づいてきた。

クエンカはランニングやパス、ロングキックなどボールを使った軽めの練習を開始。木山監督は「どれぐらいで復帰できるかオペをしたときは見えない状態だった」と説明し、「この先順調にいってほしい思いはあるが、現時点でどれぐらいに復帰できるかは正直分からない」。この日は離脱中のFWジャーメインやDFアピアタウィアは別メニュー調整。負傷者続出の逆境をはね返し、仙台の底力を見せる。【山田愛斗】

○…DF吉野は14年から昨季まで在籍(16年途中から17年はJ2京都に期限付き移籍)した古巣広島に恩返しを誓う。「成長させてもらった特別なクラブ。敵として戦うのは複雑だが、試合で活躍する姿を見せることが恩返しになる」。慣れ親しんだピッチでは「感情を出しすぎるといいプレーができないかもしれない。内に秘めて、かみしめながら楽しみたい」と静かに闘志を燃やす。