ホンダFCのGK楠本祐規(27)が、ゴール前に立ちはだかった。

1-1のまま延長戦でも決着がつかず、突入したPK戦。互いに1人ずつが失敗し、7-7で9人目を迎えた。先攻の味方が成功させると、相手のキックを左手1本でセーブした。120分を超える激闘に終止符を打った守護神は「跳んだ瞬間に『止めた』と思った。最後に仕事ができて良かった」。歓喜の輪の中心で、何度も拳を突き上げた。

決勝は、同じ浜松市北区都田町に拠点を置く常葉大が相手となる。楠本は「球際も強く、整理されたチーム」と、J3藤枝を撃破した相手を警戒。それでも「本大会出場を決めるまでは、絶対にこけるわけにはいかない」と語気を強めた。今季のチームは、JFLの王座奪還に加えて、天皇杯優勝を目標に掲げている。まずは、その挑戦権を確実につかむ。