熊本・八代市の私立、秀岳館高は、サッカー部30代の男性コーチが3年生部員に暴力を加えたとされる問題で、段原一詞監督(49)が、暴力を受けている動画を拡散させたとされる部員2人に不適切発言を行ったことを26日、認めた。

【経緯】秀岳館暴行問題 コーチ暴行動画→学校関係者不在の謝罪動画→監督叱責音声→学校謝罪>>

段原監督の音声は25日にツイッター上に投稿されたもので、暴力動画を拡散させたとされる部員2人に対して何度も「加害者」として発言。「完全な被害者はたぶん俺だけ。俺が仲間の弁護士たちに、俺が『被害を受けた』って言うて訴えたらどうするか」などの強い口調がうかがえる。

学校側は、この日早朝、監督に事実確認を行ったといい、関係者は「監督であると思っております」と、本人の音声であることを認めた。その上で「SNSの使い方を生徒に話したということだったが、その中で不適切な言葉使いがあったということです。言葉の使い方は確かに不適切。もちろん(監督は)反省しています」と、指導者の立場での“暴言”を謝罪した。

学校では、今回の動画SNS投稿による騒動を受けて、5月10日に警察による生徒へのSNS講習会を行う予定でいる。

 

▽秀岳館サッカー部暴力騒動経緯メモ

◆20日 第三者からの連絡があり、学校側が、サッカー部の寮内で部員が30代の男性コーチから殴る、蹴るの暴行を受けている動画が拡散している事実を確認。

◆21日 県警が午前中に学校を訪れて、3人が事情聴取を受けた。

◆22日 選手11人がサッカー部公式ツイッターに経緯説明の動画を投稿して、謝罪を行った。学校関係者の姿はない動画だった。

◆23日 謝罪動画は再生回数100万回を超えたが、削除された。23、24日のリーグ戦6試合が延期になる。

◆25日 学校は、学年ごとの集会を開いて、合計3時間にわたって、生徒約1000人に事情を説明。段原監督はテレビ生出演で一連の騒動を謝罪。一方で、暴力動画を拡散させたとされる部員2人を加害者扱いして、強い口調で責める、同監督の音声がツイッターに投稿される。

◆26日 学校が、ツイッターの音声について、同監督の不適切発言だったことを認めて、謝罪。また暴行をした当該コーチが、すでに退職願を提出していたことが判明。ただ学校側は警察が捜査中であるために、その扱いを保留している。