全国高校サッカー選手権が、28日に東京・国立競技場で開幕する。ワールドカップ(W杯)カタール大会でドイツ、スペインを破った日本は新しいステージに向かう。今大会の注目ポイントを「次なる100年へ 新時代」と題して、5回連載。
◇ ◇ ◇
W杯カタール大会で伊東、久保、三笘ら7人の日本代表を輩出した新王国・神奈川県代表の日大藤沢には、サッカー界の大谷翔平がいる。センターFWとセンターバックの“二刀流”で、清水エスパルス加入内定のFW森重陽介(3年)だ。198センチの長身で、先発時は1トップ、後半途中からセンターバックへポジションを変更し試合を締める。
中学時代は東京ヴェルディのジュニアユースでプレー。FWが主戦場だったが、中3の夏からセンターバックへ転向した。日大藤沢入学後、1年時はセンターバックだったが、2年時からFWも兼ねて“二刀流”として、Aチームで先発するようになった。長身だが50メートル走は6秒2とスピードもあり、ポストプレーも際立つ。佐藤輝勝監督(43)は「両方で頂点に行ける可能性がある。一監督の立場で、日本の宝の方向性を決めてはいけない」と話す。
森重自身も二刀流に充足感を得ている。「試合中にポジションが変わっても戸惑いはない。景色も変わって楽しい。センターバックをやっているからこそ、FWの嫌な動きも分かる。どっちにも生きている」と意義を強調する。
7月の全国高校総体では初戦で丸岡に逆転負けした。森重の得点で先制も、相手のロングボール作戦に付き合ってしまい、チームのつなぐスタイルが崩壊。それでも東山、青森山田、大津などが出場した8月の和倉ユース大会では「ミスを恐れず、つなぐことにトライしよう」と、原点を取り戻して優勝した。
その成功体験からチームがまとまる。今大会の神奈川県予選では、4戦14発と攻撃力を発揮した。森重も「インターハイは、初の全国で緊張感に負けて前に蹴ってしまった。直後の和倉の大会で修正できたのは大きかったし、自信になった。今回の大会は優勝を目指したい」と、まずは初戦の西原戦(沖縄)に目を向けた。“二刀流”の森重を擁した「つなぐサッカー」で、過去最高のベスト4の壁を破り、新しい景色へ挑む。【岩田千代巳】
◆森重陽介(もりしげ・ようすけ)2004年(平16)4月5日、神奈川県生まれ。JFC FUTURO、東京Vジュニアユースを経て日大藤沢に入学。神奈川県予選の準決勝・桐光学園戦で1得点2アシスト。198センチ、86キロ。血液型O。



