【モンテレイ(メキシコ)=永田淳】日本(FIFAランキング18位)のエースが“綺世キャノン”でW杯初ゴールを決めた。
第2戦のチュニジア(同45位)戦に背番号18のFW上田綺世(27=フェイエノールト)が2戦連続で先発し、前半31分、宣言通りのミドルシュート。右サイドから右足で、ゴール左隅へ低弾道で突き刺した。代表では自身1度もなかったペナルティーエリア(PA)外からのゴールとなった。
W杯通算1000試合目を飾ったのは、オランダ1部エールディビジの今季得点王だった。夢舞台2度目の出場、計3戦目にして初得点。14日のオランダ戦後は別メニュー調整した日もあったが、前日は軽快な動きで「シュートチャンスをつくれる感覚はある」と予感させていた。
代名詞の強烈なシュートで狙うことも、予告していた。左右両足から放たれる上田のパワフルなキックは「音」から違う。低く鈍い衝撃音とともに、ネットに突き刺す音を聞くだけで誰か分かることで有名。「史上最強」の日本代表でも別格だった。
25得点を挙げたオランダ1部では、クロスからの得点など92%がPA内で決めたもの。代表では全16ゴール=100%がPA内だったが「ミドルを狙っていきたい」と燃えていた通り“綺世キャノン”の発動チャンスをうかがっていた。チュニジアの敵将「白シャツの魔術師」ルナール新監督のデータにもなかっただろう一撃をたたき込んだ。
夢もかなえた。25年10月から、ストライカー番号とされる「9」から「18」に変更した。元ドイツ代表FWクリンスマン好きの父晃さんがつけていた数字。日本協会に長く出し続けてきた希望が、実績を積み上げたことで実現した。自身にとっての“エースナンバー”でゴールを決め、背中の「18」を観客席に誇った。FIFAランク18位から「最高の景色」への覚悟も重なった。
4年前のカタール大会はコスタリカとの第2戦で先発も、無得点の前半だけで交代。チームも敗れ、以降の試合で上田の名が呼ばれることはなかった。借りを返す旅が、このゴールで始まった。海外W杯では日本初となる2戦目の勝利へ大きな2点目となった。


