柔道の世界ランキング上位で争うワールドマスターズ大会(12~14日、中国・青島)の男女日本代表が11日、成田空港を出発した。男子代表の井上康生監督(41)は、今大会を右肘関節脱臼で欠場する90キロ級ベイカー茉秋(25=日本中央競馬会)の東京五輪代表争いについて言及した。

「彼が立たされている立場と位置において、(東京五輪代表選考会を兼ねる)今大会に出場出来なかったことは、東京五輪に向けて非常に難しい形になった。この大事な大会を見送ることは、彼自身も苦しんでいるし、思い切り戦わせてあげたかったという残念な気持ちでいっぱい」

ベイカーは9日の稽古中に右肘を負傷した。井上監督は10日に電話でけがの状態を確認し、「東京五輪の話をした時は非常に残念な声になっていたと感じ取れた。しかし、戦いはこれからも続く。彼が戦いをやめない以上、いろいろな形で応援したい」と気遣った。

激戦の男子90キロ級は16年リオデジャネイロ五輪金メダルのベイカーを含め、19年世界選手権銀メダルの向翔一郎(ALSOK)、同男女混合団体代表の村尾三四郎(東海大)、18年世界選手権銅メダルの長沢憲大(パーク24)の4人で五輪代表を争っている。

マスターズ大会は、五輪、世界選手権に次ぐ格付けで、原則として世界ランキング36位以内の選手が出場出来る。