米バスケットボールNBAウィザーズのデビッド・アドキンスコーチが、チームの公式サイトでインタビューに応じ、八村塁のこれまでのプレーを振り返り「すごく頭が切れる。ミスがあってもすぐにしっかり修正できる」と評価した。

アドキンス氏は、八村が昨年6月のドラフトで選出された後に来日し、同9月のW杯中国大会まで日本代表に同行して一緒にシュート練習などを行った。その後も常にマンツーマンで指導を行うなど、八村の成長を見守ってきた。

開幕直後は初めてマッチアップする選手がほとんどのため、試合前に相手チームの選手を八村にチェックさせた。大学から米国に来た八村にとって初対戦の選手が多く、序盤の25試合は相手の映像を見ることがほとんどだったという。「若手選手にとって最も重要なのは選手を知り尽くすこと。相手の全ロースターに詳しくならないと」。その後、今度は自身のプレー映像を見て修正していった。同コーチは「フットワーク、ディフェンスでの手の使い方、ポジショニング、意識の持ち方など技術的なおさらいが多かった」と振り返った。

アドキンス氏は1年目の八村をチームの主力として活躍するまでに育て上げた。鼠径(そけい)部のケガで1カ月半ほど離脱したが、出場した試合はすべて先発。ドラフト1巡目のプレッシャーなどで、得点が伸びずに苦しんだ時もあったが、活躍した試合の映像を見せるなどして自信を取り戻させた。「NBA選手は世界で最も優れたアスリート。それでも自信を失う時もある。だから厳しく言わないといけない時は言うし『お前はすごい選手なんだよ』と褒めて伸ばすときもある」。NBAは7月31日、22チームで再開が決定。東地区9位のウィザーズは8位まで5・5ゲーム差で滑り込んだ。アドキンス氏の“アメとムチ”を受けながら八村が逆転でのプレーオフ進出を導き、激動の1年目を締めくくる。