宮城MAXが大会11連覇に王手をかけた。ワールドBBC(愛知)を67-57で下して決勝進出。第4クオーター(Q)に53-54と1度はリードを許しながら逆転勝ちした。日本代表のエースでもある藤本怜央(35)が31得点の活躍でチームを引っ張った。

王者の歯車が乱れた。第2Qを終えて37-25。藤本、土子大輔のツインタワーが機能して第1Qの1点ビハインドから盛り返し、そのまま逃げ切るかと思われた。しかし第3Qの序盤、ワールドBBCの竹内厚志に連続3点シュートを浴びるとおかしくなった。シュートが入らない。パスが通らない。追い上げられ、第4Qには貯金を吐き出して1点先行された。

「逆転されたところで修正し、アジャストできた」と藤本。追い込まれてから底力を発揮した。ゴール下を固め、アウトサイドにも適度にプレッシャーをかける。守備からリズムを取り戻し、逆に藤本、土子がインサイドからゴールを重ねて突き放し、逃げ切った。

10日の1回戦、伊丹スーパーフェニックス(兵庫)戦も第3Q終了時点でリードされていた。連日のクロスゲームにもエースは動じない。「もう、簡単には勝てない。レベルが高くなっている。どのチームも自分たちを倒そうと1年間準備してきますから。10点差ならいい。明日(決勝)へ向けていいゲームでした」。

決勝では三度目の正直で初優勝を狙う埼玉ライオンズと対戦する。7連覇を果たしたときの相手で、今年から出場が認められた健常者も3人擁している。藤本はこう締めくくった。「健常者のいるチームに対して、障がい者だけのチームが何ができるか。魅了するような、感動してもらえる試合にしたい」。【小堀泰男】