男子88キロ級で大堂秀樹(44=SMBC日興証券)が金メダルを獲得した。

182キロからスタートして2回目に190キロに成功。最後に自らが持つ日本記録と同じ197キロに挑み、バーベルを完全に差し上げたがジャッジの赤ランプが2つともった。

「体調がよくなかった中で、最後に精神力で197を押し切った。それはよかったですね」

189キロで9位にとどまった7月の世界選手権(カザフスタン)で左肘を負傷。今月初めにはぼうこう炎にかかり、数日前にも発熱するなど体調不良と闘いながらの調整が続いた。それでも実力者としてしっかり存在感を発揮した。

20年東京にはパラリンピック4大会連続出場がかかっている。来年4月までの国際大会で争われるパラ・ランキングで8位以内に入れば代表に内定する。現在、大堂は195キロで12位につけている。

「世界のライバルがみんな強くなっていて207~8を上げなければならないでしょう。でも、感覚的にはいける気がしている。頑張りますよ。東京パラの注目度はこれまでと全然違いますから」

13年には大会で不成功ながら205キロを上げた経験もある。日本で東京パラに一番近い男が、巻き返しかかる。