パラアーチェリー男子の東京パラリンピック代表内定選手、仲喜嗣(なか・よしつぐ)氏が7日、死去した。60歳だった。日本身体障害者アーチェリー連盟が9日、明らかにした。

日本連盟によると仲選手は昨年11月に体調を崩して以来、療養していた。遺族の要望で死因については明らかにされていないが、新型コロナウイルス感染症によるものではないという。

仲選手は奈良県大和高田市生まれ。会社員だった31歳の時に「AAA(トリプルエー)症候群」を発症した。全身の筋力が低下する原因不明の難病で、次第に歩行が困難になり、その後に遭った交通事故の影響もあって数年後には車いす生活になった。

四肢に障がいを抱えながら46歳でアーチェリーを始め、車いすW1クラスで07年の世界選手権に初出場。その後も奈良県を拠点に国内外の大会で実績を残し続け、19年6月の世界選手権(オランダ)で東京パラ代表に内定していた。

日本連盟は「パラアーチェリー界での長きにわたるご活躍に心より敬意を表しますとともに、謹んでお悔やみ申し上げます」と仲選手の逝去を悼んだ。