東京パラリンピック聖火フェスティバルが19日、埼玉県朝霞市の朝霞中央公園陸上競技場で行われた。新型コロナウイルスの影響で公道でのリレーを中止し、県内各自治体の火を集めて聖火をつくる「集火式」や陸上競技場のトラックを走る聖火リレー、東京都へ送り出す出立式が行われた。

聖火リレーでは、事故で脊髄を損傷し、車いす生活となった地下アイドルグループ「仮面女子」の猪狩ともか(29)が登場した。猪狩は「パラリンピックの聖火をつなぐことができてうれしい。重要な役割でしたが、楽しい思い出となりました」と目を輝かせた。

猪狩は18年4月、都内で強風で倒れた看板が直撃し脊髄を損傷。下半身不随となった。その後リハビリを経て車いすに乗りながらアイドルとして芸能界への復帰を果たした。19年4月には東京都からパラ応援大使に任命された。猪狩はパラスポーツについて「たくさんの発見があって、いろんないい刺激もらっています。けがをする前とした後では考え方が180度変わりました」と打ち明けた。パラリンピックでは自身が12年間続けてきた水泳や、メダルに期待がかかっているテニスに注目しているといい「魅力を伝える側の人間として頑張りたい」。その上で「障がいを持っている人の事をネガティブなイメージで見てしまう方がまだ多いと思う。それをパラスポーツの力でぶっ壊していきたいと思います」と笑顔で意気込んだ。【沢田直人】