日本選手団の入場行進が終わった後に登場した「片翼の小さな飛行機」を表現したのは公募キャストの和合由依さん(13)だった。先天性の羊膜索症候群、関節拘縮症による上肢下肢の機能障がいがある。演目に「私も左手があまり使えず、右手だけがよく使える状態でそこが似ていると共感しました」とコメント。一方で「『片翼-』には飛ぶ勇気がないのですが、私は『とりあえずやってみよう』というタイプ」。その言葉どおり、母親に勧められた今回の応募にも「できなかったらできなかったで学んだらいいし」と迷いなく約800人のオーディションに臨んだ。

4歳時から習う水泳や親の反対を押して入った吹奏楽部、都内の公立中の2年生で生徒会役員も務める。普段使う電動車いすでは「ロボット感が出ちゃう」と手動を使い自力でこいだ。半年間の特訓中は背中を痛めることもあったが「お世話になった人に、今活躍している自分の姿を見せたかった」。舞台裏に引き揚げ父の姿を見つけると、13歳は人目をはばからず号泣した。