女子3000メートル個人追い抜き(運動機能障害C1~3)で静岡県掛川市出身の杉浦佳子(50=楽天ソシオビジネス、掛川西高出)が、予選5位に終わった。地元静岡での一戦で上位4人が進む決勝進出を逃し、「3分55秒ぐらいが優勝タイムになるかな? と想定して練習をしてきた。そこにいけなかったことが残念。正直、決勝には行きたかった…」と悔しさをにじませた。

ただ、手応えも残った。今年5月に左股関節唇の損傷が発覚。痛み止めの注射を打ちながらの調整が続き、決して万全とは言えない状態だった。それでも、自らが持つ日本記録を約6秒更新する4分2秒834をマーク。「この状態で日本新記録を出せたので、自分としてはまあまあ良かったと思う」と、顔を上げた。

今後は27日に行われる500メートルタイムトライアルを経て、31日からロードレース(富士スピードウェイ)に臨む。17、18年と世界選手権で優勝を飾った杉浦の大本命種目だ。女子最年長メダルの更新も期待される50歳のレーサーは「気持ちを切り替えて、しっかり休んで次に向かいたい。『ロードでみてろよ』という気持ちです」と気合十分に語った。表彰台に向け、全力でペダルを踏む。【前田和哉】

◆杉浦佳子(すぎうら・けいこ)1970年(昭45)12月26日、静岡県掛川市生まれ。掛川西-北里大薬学部。卒業後は薬剤師として働きながら、趣味でトライアスロンの大会に参加していたが、16年4月のロードレース中に転倒。高次脳機能障がいと右半身にまひが残った。17年にパラ自転車競技に転向。主な成績は17年世界選手権タイムトライアル、18年世界選手権ロードレースで優勝。156センチ。

▽女子3000メートル個人追い抜き予選 (1)グレコ(オーストラリア)3分52秒283(2)王小梅(中国)3分55秒781(3)シンドラー(ドイツ)3分57秒625(4)ブラウン(米国)4分0秒183(5)杉浦佳子(日本)4分2秒834(6)ベク(スウェーデン)4分3秒035(7)曽思■(中国)4分6秒263(8)ホイットモア(米国)4分11秒108

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