16年リオデジャネイロ大会に続く2大会連続出場の元JRA調教助手、宮路満英(63=リファイン・エクインアカデミー)が得点率66・824%で7位入賞を果たした。前回リオ大会の11位を上回った。

競技中は裕美子夫人(63)が、人馬が進む経路を指示するコマンダーとして支援した。

 

宮路と一問一答

-演技を振り返って

宮路 リオの時は馬に乗せてもらっている感じだったけど、今回は技術も多少見せられたかな。まだ力はないけど、よかった。

-支えてくれた妻へ

宮路 「ありがとう」だけど、(団体戦の)明後日もうちょっと頑張る。まだ感謝の言葉は言えない。

-今後について

宮路 年齢もあるので…あはは。東京で終わりでないけど、来年の世界選手権は考えている。パリまではまだ断定できない。

-苦労していますね

宮路 昨年は骨折した。延期になった時は調子もよかったけど、8月に落馬して骨折して、そのまま開催なら出られたか分からなかった。骨折したことで姿勢がよくなり、いい感じになった。1カ月半で馬に乗れるようになった。

-30日に出場できる個人自由演技には

宮路 新しくこの馬に合わせて曲をつくってもらったので、是非やりたい。みんなが「おおお」となるはず。曲に負けないように頑張りたい。

-演技中に妻からの指示は

宮路 2回間違えた。妻も緊張もあったのでは。互いにいつもの感じとは違う感じだったかな。

-妻のマッサージや助言

宮路 朝はいつもストレッチやってもらっている。1時間程度かな。試合前は昨日までやった練習での注意点を言ってもらった。試合の入り方やそんなこと。

-馬について

宮路 切れがありすぎた。斜め横足が苦手だったけど、ここにきて馬と合わせられるようになって徐々によくなったかな。試合後は馬へ「おおきに」と言った。

-自国開催のパラリンピックを経験して

宮路 世界中が大変な時期に、こうやって開催してもらい大舞台で乗せてもらい、「本当にええのかな」と感謝している。本当にありがたい。

-リオからの5年、夫婦でこの場に立てて

宮路 今日は失敗もあったが、東京でできると。残念なことは人が入らなかった。けど、気持ちはいいね。

-60歳を過ぎての活躍

宮路 やっぱり、よかった。馬術は馬の力もある。それでできたと思うし。ストレッチなども毎日欠かさずやってきたし、それが良かったのかな。本当にこの場に立てて幸せ。

▽裕美子夫人 「リオはたまたまラッキーで。今回は少ない人数でも国内大会の争いがあり、出させてもらってありがたい。無観客だったけど、知り合いもいたし、地元感覚でリラックスの気持ちもあった。まあ、夫婦で出られてよかった」

◆宮路満英(みやじ・みつひで)1957年(昭32)10月29日、鹿児島県出水市生まれ。大阪市立生野工高時代に北海道を旅行し、馬に興味を持つ。卒業後は職を転々としたが、北海道日高、門別の牧場で2年間の修業を積み80年、22歳で栗東トレセンへ。宇田、森厩舎で調教助手を務め、98年に仏G1モーリス・ド・ゲスト賞を制した名牝シーキングザパールにも携わる。05年7月に脳卒中で倒れ、07年に退職。前回リオ大会では日本ただ1人の馬術代表。