5月のテスト大会で今季世界1位となる60メートル63をマークした白砂匠庸(25=あいおいニッセイ同和損保)は58メートル35の6位、日本記録60メートル65を持つ山崎晃裕(25=順大職)は57メートル69の7位だった。

男子やり投げ(上肢障害F46)決勝。ともにメダルの期待を背負っていた。ただ、ここはパラリンピックの大舞台。世界のトップ選手は秘めたポテンシャルを一気に解放してきた。これまでの世界記録は63メートル97だったが、それを67メートル79で金だったムジヤンセラ・ヘラス(35=スリランカ)ら3人が上回ってきた。

日本勢の2人は世界の前に屈した形だが、ともに表情は晴れ晴れしていた。白砂は「この舞台を楽しむイメージで臨んだ。(世界の)レベルが上がった。まだまだ負けないようにチームジャパンとして頑張っていきたい」。2人で相談し、競技場への入場時には侍ポーズを見せた。心から楽しむことができていた。山崎は「ここに立てることの喜びをかみしめながらプレーをした。もう少し投げたかった気持ちもあるが、ここまでの東京パラへ向けた道のりには悔いがない。結果を真摯(しんし)に受け止め、前に進む。後半に伸ばしてくる海外勢は強い。まだまだこれから」。2人の言葉には今後への闘争心もこもっていた。