圧倒的な強さを誇示した中国人金メダリストは、アニメと塩ラーメン好きの親日家だった。

混合コンパウンド団体に続く2冠目を手にした何梓豪(27=中国)は、3回戦でパラリンピック記録に並ぶ146点を記録して宮本リオン(日本)を下すと、準々決勝では大会新記録となる148点をマーク。さらに準決勝でも再び148点を挙げ、決勝では147点で快勝した。1試合で15本の矢を放つ最高150点の競技で、驚異的なハイスコアを連発。それでも、「148点は普段の練習で簡単に出せるスコア。普段通りといったところ」と涼しい顔で振り返った。

下半身不随のため車いすで生活する。競技を始めたのは7年ほど前で、「大学に入り、趣味を持ちたいと思ったから」。東京大会に向けて、約400日間の猛特訓を重ねてきたというだけに、「このあと家族でご飯を食べられる生活が楽しみ」と笑った。

その家族構成について日本メディアに尋ねられると、通訳を介して未婚だと説明したうえで、さらに自ら日本語を駆使して「彼女もいないです」と強調。車いすにはエヴァンゲリオンのステッカーが貼ってあることを示し、再び日本語で「アニメが好きです」とにこやかに応じた。

これまで日本に6回ほど遊びに来たことがあるそうで、車いすでどこにでも行けることに感激したという。好きな場所は北海道。またしても日本語で「塩ラーメンが大好きです」と話した。【奥岡幹浩】