2予の仮番組が発表されて、選手が控室からコメントを出しにやってきた。そこに山口富生を中心に岐阜勢が現れた。松岡篤哉、川口聖二、橋本優己、山口聖矢が囲むように立っている。聖二は「(ゴッドファーザーの)ファミリーのようですね」と言うが、私には丹波哲郎を囲む「Gメン75」の面々のようにしか見えなかった。

ヤマコウは2予8Rの町田太我にエールを送った
ヤマコウは2予8Rの町田太我にエールを送った

初日特選12Rで深谷知広が1着を取って場内が盛り上がった。しかし、1予11Rの町田太我も先行職人と言える走りだった。同型の中西大と2周半からけん制し合い、2周の誘導待避線目がけて両者がダッシュ。見応えある攻防戦は町田が制した。中西の敗因は少しためらったところだが、そこは仕方がない。

町田は逃げ切ってゴールした後「もしかして…と思って、すぐ旗を確認したら白旗だった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。「(7月開催の)青森F1の後は精彩を欠いているけど、この逃げ切りできっかけつかんだ?」と聞くと「腰痛で思うように自転車が進まなかった。でも、だいぶ影響はなくなりました」と不安も一掃できたようだ。

町田は大口をたたくタイプではなく、いつもバランスを取りながら話す。先行で勝ち、目立ってくると警戒され、先行させてもらえなくなることも影響しているのだろう。しかし、町田はスター性もあるし、その壁をクリアしたら犬伏湧也を脅かす存在になれる。

2予8Rの本格先行は町田だけ。連勝で勝ち上がり、豊橋G3を盛り上げてほしい。(日刊スポーツ評論家)

ヤマコウ印
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