<国際親善試合:日本1-3ブラジル>◇10日◇フランス・リール

 吉田はベテランらしくなかった。リズムを作っていかないといけない時間帯。試合前からビデオ判定があることは分かっていたのに、相手をペナルティーエリア内で抱えてしまった。明らかなファウル。立ち上がりのこの1点でゲームは壊れた。

 欧州や南米、アフリカの選手に比べ、体格的に不利なだけに、W杯本大会でも用いられる可能性があるビデオ判定は日本向きではないかもしれない。細かいファウルまでリプレーされるわけだから、ゴール前では腕をうまく使って相手の動きを制限する程度しかできない。

 ビデオ判定は、試合の流れを断ち切るなど不評もある。相手の流れをなかなか断ち切れない時、審判に要求して一呼吸入れることが、現行制度では可能だ。戦術として使われる危険性もあるため、今後、導入方法などもう少し考えるべきとは思う。(日刊スポーツ評論家)