浦和レッズMF阿部勇樹(35)が、ゴンの記録を14年ぶりに塗り替えた。18日の磐田戦で今季初ゴールを含む2得点。1試合2得点以上は、日本代表の主力として活躍していた10年4月の新潟戦以来、自身7年ぶり5度目。35歳9カ月12日での1試合2ゴールは、03年に磐田FW中山がマークした35歳7カ月24日を更新する日本選手のJ1最年長「マルチゴール」となった。

 ただ、試合は2-4と逆転負け。本人はこれまでの快記録にも「勝たなければ意味がない」と話してきた。今季の浦和は5月20日の清水戦でも興梠がハットトリックを決めながら3-3で引き分けるなど、個人の快記録を手放しで喜べない試合が続く。攻守がかみ合わない、今のチーム状況を象徴しているかのようだ。

 それでも今回の阿部の個人記録はJリーグの歴史に残る。J1通算得点は70点目で、磐田MF中村俊に並ぶ歴代32位タイ。J1で得点を記録したシーズン数も17年となり、G大阪MF遠藤の18年に次ぐ歴代2位タイに浮上した。今度は心から喜べる勝利につながるゴールを期待したい。

【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)