今季のJ1は実績のある監督の退任が目立つ。7月30日に浦和レッズがペトロビッチ監督との契約解除を発表。これで今季のJ1の監督交代はアルビレックス新潟、大宮アルディージャ、鹿島アントラーズ、サンフレッチェ広島に次いで5チーム目となった。シーズン中の監督交代の過去最多は08年の8チームだが、5チームは14年以来3年ぶり。今季は年間優勝の経験もある鹿島の石井監督、広島の森保監督も含まれる。

 このテコ入れ策が効果を発揮するかどうか-。7月に就任したばかりの広島のヨンソン監督と浦和の堀監督のチーム再建が注目されるが、5月に監督を交代した新潟と大宮はまだJ2降格圏を脱出できずにいる。一方、昨季王者の鹿島はこの2カ月で立て直しに成功。石井監督の後を引き継いだ大岩監督は就任初戦から6勝1分けと7戦不敗。元々、実力のあるチームだったとはいえ、チームの順位は7位から2位に浮上し、2連覇を視界にとらえた。

 シーズン中に監督を交代したチームが年間王者となれば、2ステージ制だった98年の鹿島(ジョアン・カルロス→関塚隆→ゼ・マリオ)以来19年ぶりで、現行の1シーズン制では初。大岩監督が異例の成功例を作ろうとしている。

【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)