イタリア人のフィッカデンティ監督が率いるチームらしい記録か。名古屋グランパスは07年以来となる開幕4連勝で、第2節からは3試合連続の1-0完封勝利を飾った。J1リーグ戦で3試合連続の最少得点勝利はクラブ史上初。昨季リーグ最少失点を誇ったチームの鉄壁の守備は今季も健在だ。
13日の第4節ヴィッセル神戸戦では選手層の厚さを示した上での連続試合無失点となった。18年9月から現役J1選手最多となる82試合連続フルタイム出場中だった不動のセンターバック、DF中谷進之介を「温存」。セレッソ大阪から今季加入したDF木本恭生を初めて先発起用した。C大阪でも安定した守りを見せていた守備の職人は難なく完封勝利に貢献。指揮官は「遠くからしかシュートも打たせてないし、やるべきゲームができた」と満足そうに語っていたという。
J1の連続試合1-0完封記録は09年の浦和がマークした4試合連続。当時の浦和レッズを指揮していたドイツ人のフォルカー・フィンケ監督は「この結果が続くようであれば、新しいイタリア人の監督が来たと思うかもしれないね」と冗談を飛ばしていた。
1-0勝利はイタリアサッカーの美学。セリエAの順位決定方式は勝ち点で並んだ場合、当該チーム同士の直接対決で決める。得失点差はあまり関係ないことも影響してか、緊張感のあるウノゼロが好まれてきた。
一方、Jリーグにおいては同勝ち点の場合、全試合の得失点差、総得点の順で順位を決める。1-0よりも2-0、3-1といった2点差以上での勝利の方がいい。仮に開幕5連勝中の首位川崎F(得失点差プラス10)と勝ち点で並んだ場合、このままなら得失点差で2位となる可能性が高い。
今季の名古屋は元日本代表のFW柿谷曜一朗、FW斎藤学ら前線の選手を補強し、課題だった攻撃面を強化した。だが、4試合で計5得点(得失点差プラス4)は物足りない。
4試合連続1-0となれば珍しい記録ではあるが、11年ぶりのタイトルを目指すチームとしては快記録と呼べないだろう。1-0勝利は守備陣にとって達成感のあるスコアかもしれないが、複数得点での完封勝利の方がサポーターも喜ぶに違いない。【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)




