どんな状況で起用されても結果を残す。川崎フロンターレのFW小林悠(33)は、5月30日の鹿島戦で1-1の後半48分に途中出場すると、その1分後に勝ち越し点を奪い、チームを勝利に導いた。J1通算得点は歴代8位の127点。途中出場限定のゴール数も通算21点となり、鹿島やC大阪で活躍したFW真中靖夫の20点を抜いて歴代3位に浮上した。

加入2年目の11年5月3日の磐田戦で途中出場からJ1初ゴールを記録。当時はFWジュニーニョ、矢島卓郎らの控えだったが、以降もベンチスタートでゴールを量産し、徐々にスタメンの機会を増やしていった。最終的にその年は途中出場で6点、先発でも6点を挙げ、チームトップの12ゴールをマークした。

J1初ゴールから10年。今季はFWレアンドロ・ダミアンが12得点と絶好調で、定位置だった先発センターFWでの出場機会が減少している。そんな中でも先発5点、途中出場2点の計7ゴール。途中出場限定のJ1通算得点ランクで歴代3位に浮上したが、小林は出場状況を問わず、監督とサポーターの期待に応える点取り屋。いわゆる「スーパーサブ」とはひと味違う輝きを放っている。

【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)


〈途中出場でのJ1通算得点ランキング5傑〉

27 播戸竜二(60点)

23 森山泰行(43点)

21 小林悠(106点)

20 真中靖夫(14点)

18 林丈統(10点)

〃 阿部吉朗(18点)

※カッコ内は先発試合での得点数


○…途中出場で最もゴールを決めているのがFW播戸竜二で27得点。C大阪時代の11年には10ゴールをマークしたが、そのうち9点を途中出場で記録した。途中出場だけでシーズン2桁得点は過去にいないが、9点は95、96年の名古屋FW森山泰行、99年の清水FW長谷川健太と並ぶ最多記録となっている。