横浜FCや柏レイソルなどでプレーし、現在は神奈川県社会人1部のFIFTY CLUBで現役を続ける「ジャンボ」ことFW大久保哲哉(43)が、優勝&得点王へ邁進中だ。

前半戦を終え、チームは首位と得失点差での2位に付けている。大久保は11試合10得点をマーク。5月28日の神奈川大学SC戦ではハットトリックも決めた。43歳になっても得点力は衰え知らずで、大久保は「(得点の)数字はもう、外国人助っ人ですね」と笑い「今季は1-0の決勝点や、後半のアディショナルタイムで得点が多い。最後まで動けている感じはする」と手応えを口にする。

同リーグの後半戦は当初、8月6日に開幕予定だったが、例年にない酷暑のため9月3日に延期になった。大久保が所属するチームは、3日に神奈川大SCと対戦する。9月になっても暑さが厳しいが、キックオフ時間は午後1時半。大久保は「前半戦の最後は7月16日の午前10時キックオフでした。天然芝のグラウンドでしたが、暑いのなんの…。ヤバイですよ。その試合も後半のヘディングでの得点が決勝点になりました。チームからも、勝利のための得点が求められていますから。めっちゃ疲れましたけど、やはり勝つと気持ちいい」。過酷な環境下でもしっかりとエースの役割を果たしている。

FIFTY CLUBに所属し、5年目のシーズン。神奈川県1部はJ1から数えて7部に相当する。Jとは環境ががらりと変わった。「最初の公式戦が、土のグラウンドでしたからね。桜舞い散る夜の土(笑い)」。Jリーグでは試合も練習場も天然芝。環境面での変化は大きかった。それでも適応できたのは、チームメートの信頼とコミュニケーションだった。

「自分は2、3人かわしてシュートを打つタイプではない。どちらかといえば、ワンタッチストライカー。いかに、いいポジションを取るか。練習から出し手に要求し続けていました。公式戦の初戦で得点できて、周囲が自分を見てくれているのが大きい」とチームメートに感謝する。

炎天下の試合でもフル出場を続け、1試合を終えると体重は3~4キロ減ることも。食事ではタンパク質や炭水化物を多く摂取することを心掛け、体重は1~2日で戻すようにしているという。Jリーグでは後半に足がつる選手が続出しているが、大久保は足をつる経験がほとんどないという。「体質で助かってると思います。Jリーグで400試合以上出てますけど、一度もつったことがないんです」。昨年12月27日、父の茂樹さんが約5年にわたる闘病の末、死去した。亡き父に思いを寄せ「丈夫な体に育ててくれたことに感謝したい」と話す。

現在、リーグ戦は上位3チームが勝ち点で並ぶ大混戦。得失点差を含め、後半戦は1試合の重みが増していく。「しびれる戦いが続くのはおもしろい。プレッシャーはかかるけど、その分、やりがいがある。勝つことに専念していかないと。自分はチームを勝たせる存在でありたい」。

今季の最大の目標はリーグで優勝し、「関東社会人サッカー大会」に出場した上で関東2部に昇格すること。過去に3回、同大会に出場したが、関東2部昇格までは届いていない。大久保は「去年は関東社会人サッカー大会では、自分の決勝点で初めて初戦を突破した。この経験を生かして、今年こそ3戦勝ち上がって、角野隆監督を胴上げしたい」。大久保が得点王を取れば、昇格の道が見えてくる。【岩田千代巳】