サッカー日本代表のDF長友佑都(30=インテルミラノ)の筋肉は「よろい」から「クッション」に変わっていた。昨年7月から加藤超也(たつや)氏(33)が専属シェフとなって栄養管理を開始。長友の肉体は徐々に変化し、大きなケガがなくなり、回復力が増したという。サムライブルーの左サイドバックに君臨し続ける男の「食トレ」に迫った。【取材・構成=鎌田直秀】

 8月31日のオーストラリア戦。フル出場し、先制点をアシストするなどW杯出場に貢献した長友は言った。「食トレは裏切らないことを証明できた。ヨガもそうですが、やっていなければ、今回のコンディションやパフォーマンスはなかった。この1年間、筋肉の張りとかはありますけど大きなケガはないですね」。その5日前に左太もも裏の張りを訴えたが、回復は早かった。加藤氏に心から感謝の意を示した。

 2人の出会いは約1年半前。アスリートの食に関心があった加藤氏が、SNSで「長友選手の食事をお手伝いしたい」とメッセージを送った。すぐに意気投合し、昨年7月からミラノの長友宅のキッチンに立つようになった。肉や魚、有機野菜など鮮度にこだわった3食はもちろん、練習の前後の補食や飲み物まで用意する。その「食トレ」で肉体は徐々に変化してきているという。

 加藤氏 今までは硬いよろいのような筋肉を鍛えてきたようですが、今の考え方はクッションですね。サッカーは衝撃の多い競技。その力を吸収してはね返すイメージです。けがのリスクをどれだけ軽減できるか。そのための柔軟でしなやかな筋肉が重要なんです。