横浜F・マリノスMFオナイウ情滋(じょうじ、25)が腕ぶしている。
明治安田J1百年構想リーグの次節はアウェー浦和レッズ戦(25日・埼玉スタジアム)。兄の日本代表FWオナイウ阿道(30)との初めての対戦が控えているからだ。情滋は23日、横須賀市内での練習後、兄弟対決への思いを余すことなく語った。
「小さい頃にボールを一緒に蹴ったりとかはありましたけど、5つ離れているので、本当に俺がボールを蹴ってもらって、犬みたいに(ボールを)追っかけてみたいな。そのぐらいのレベルだったので、真剣にボールを触ったりというのはなかったです。そう考えるとちょっと感慨深いものがありますね」
3きょうだい。兄阿道がいて、次に姉がいて、末っ子が情滋だ。埼玉県神川町出身。群馬県に違い山あいの自然豊かな地域。「生きものを追いかけて遊んでいました。トカゲだったり、タヌキは優しく見守っていましたけど」と言って笑った。
そんなのどかな町にあってオナイウきょうだいはスポーツ万能の有名人だった。姉もバレーボール選手として鳴らした。何より正智深谷高からジェフユナイテッド千葉入りした阿道は特別だったという。
「もう兄は町のスーパースターみたいな感じ。高卒でジェフに入って、その時なんかは役場かなんかに銅像を建てようかみたいな話が出たぐらい。自分にとっても(兄の存在が)すごいモチベーションだった。だから高卒でプロになれなくても、あきらめたくないって気持ちがあって頑張ってこられました」
5歳離れているが、幼少期は兄弟ゲンカもしたという。
「俺が生意気なガキだったんです。小さい頃はすぐケンカを売って怒られて、みたいな。めっちゃ騒がしい家庭でした。姉ちゃんも馬鹿みたいに強いんで。いつもボコボコにされていましたね」
ただ兄も姉も普段は優しかった。明るくおしゃべりで親しみやすい人柄の情滋のキャラクターは、間違いオナイウ家の日常によって育まれたものだろう。
そんなにぎやかなオナイウ兄弟が、埼スタを舞台にガチンコで今度はぶつかる。
「兄弟ゲンカではまだ1回も勝ったことがないので、1回ちょっとやり返したいっすね。サッカーの試合という合法のケンカなんで、そこは楽しみです」
そして横浜は6年間、埼スタで浦和に勝っていない。チームも3連敗中とあって、勝ち点3が何より求められる状況だ。
「自分は試合に入ればチームに勢いをもたらすって意味では、チームの中でもしっかりやれる方かなと思う。前に出て行けるという自信はあるので、前向きにどんどんやっていきたい」
同じ兄弟で背格好やプレースタイルはまったく異なる。180センチのがっちり体形でセンターフォワードの兄に対し、弟は166センチと小柄でスピードを生かしたサイドアタッカーだ。
格闘技の聖地さいたまスーパーアリーナならぬ、埼スタでのオナイウ兄弟のガチンコ対決。勝負を左右するポイントになるかもしれない。【佐藤隆志】



