来年6月に開幕するW杯北中米大会で「優勝」を目指すサッカー日本代表を、静岡県に縁のあるコーチ陣が支えている。
藤枝市出身で藤枝東から浦和入りし、ドイツへ渡った元代表主将の長谷部誠コーチ(41)がこのほど、取材に応じ、役割について語った。一昨季限りで現役から退き、現在は選手時代に活躍したEフランクフルトU-21と代表のコーチを兼任。「静岡人魂」を胸に進歩のため奮闘している。藤枝市出身の名波浩(52)、静岡市(旧清水市)出身の斉藤俊秀(52)、磐田で得点王に輝いた前田遼一(44)の各コーチも、それぞれの立場で森保ジャパンに尽くしている。
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昨年9月から代表スタッフに入閣した長谷部コーチが、森保ジャパンに新たな風を吹かせている。3度のW杯出場を含む、代表通算114試合。うちキャプテンとして81試合は歴代最多だ。就任のきっかけは昨年6~7月の欧州選手権だった。現地視察した森保一監督(57)から直接打診された。「僕は正直、話半分だと思っていたんですけど。しばらくしてJFA(日本協会)のチームマネジャーの方や他の方とも話をして監督が本気だと」。覚悟を決め、オファーを受諾した。
久々の代表は様変わりしていた。18年W杯ロシア大会を最後に代表引退後6年ぶりに戻り「全ての面で成長している」と実感した。それは選手のレベルだけでなく、環境面も含めたチームの進化。斉藤コーチとともに守備担当を任されつつ、攻撃面でも名波コーチから求められれば意見を伝えることもあるという。
日常は多忙を極める。クラブのコーチ業に加えて週1、2回の代表スタッフミーティングに合わせ、担当選手のフィードバックをする。「代表がW杯で勝つために、日々、何ができるかということをしっかりと考えて、指導者として1つでも2つでも多くのことを学ぼうと思っていますね」。
日本サッカー界でトップクラスの経験や、今も欧州に身を置くからこそ、伝えられること、求められることはある。ただ、影響力を振りかざすのではなく、現役時代と同様、チームの調整役を担う。「欧州にいる選手が『もっとこうしたらいいんじゃないか』とか、あると思うんですけど『いやいや。それは分かるけれど、代表のやり方はこれ、時間が限られた中でやれるのはこれ』と言えるのは自分の役割かなと。チームのバランスを整える仕事も自分の中ではあるのかな」とうなずく。森保監督も生まれは掛川市。「チーム静岡」の一員として夢のW杯制覇へ、長谷部コーチが日本代表を整える。【佐藤成】
◆長谷部誠(はせべ・まこと)1984年(昭59)1月18日生まれ、静岡県藤枝市出身。藤枝東から02年浦和に入団。08年1月からドイツのウォルフスブルクに移籍。08-09年にリーグ優勝。13年夏にニュルンベルク、14年夏にフランクフルトへ移籍。日本代表は06年に初選出。国際Aマッチは114試合出場2得点で、主将として81試合出場は歴代最多。W杯は10、14、18年と3度出場。23-24年シーズン限りで引退した。16年7月にモデルの佐藤ありさと結婚。11年に出版した「心を整える。」はミリオンセラーを記録した。

