J2札幌は岐阜に5-0と大勝し、2連勝となった。4試合ぶり先発のMFジュリーニョ(29)が自身初のハットトリックを達成した。24戦16勝5分け3敗で勝ち点は53。前日24日の勝利で勝ち点を50とした2位松本に再び3差をつけた。第25節を終え単独首位をキープし、さらに得失点差を7に広げた。J1自動昇格に絡む3位C大阪との勝ち点差も6と引き離した。

 ジュリーニョが爆発した。前半7分、FW都倉とのパス交換からゴール前に抜け出し最後は左から先制点。3日の横浜FC戦以来4戦ぶり得点で勢いに乗ると同24分、MF上里からのパスを受けワンタッチで前に振り向き、左足を振り抜いた。約25メートルの強烈なミドルがゴール左上に突き刺さり2-0。3-0で迎えた後半30分にはハットトリックを達成し、突き放した。

 ブラジルでは主に左サイドバックでプレーしていただけに「ハットトリックは初めてだよ。とても気持ちいい」と喜んだ。24日の前日練習後、4試合ぶりに先発メンバーに入り気持ちを高ぶらせ、記者1人1人に歩み寄って握手をかわして帰った。「1点だけでなく、明日は2点取れたらいいな」。宣言通りどころか、自身J初の3発で、2連勝に導いた。3日の横浜FC戦での得点がクラブのJリーグホーム通算550号、今回の先制点がJリーグ通算950号と、連続節目弾のおまけもつき「神に感謝したい」と喜んだ。

 14年にブラジル名門バスコ・ダ・ガマでプレーした助っ人は来日時、J2をなめていた。2月13日、観衆1763人の中で行われた本城でのプレシーズンマッチに「これがJ2か」と見くびっていた。だが、ホーム開幕3月13日、札幌ドームでのホーム開幕愛媛戦は2万12人。赤と黒に染まったスタンドに驚き、気持ちは変わった。「この熱烈なサポーターのために尽くしたい」。その思いが、確実に結果につながってきた

 残り18試合となり「J1に向け確実に進んでいる」と前を見据えた。主力ヘイス負傷離脱も、首位の強さは健在。1勝ごとにチーム力を高め、逃げ切りでのJ1昇格につなげる。【永野高輔】

 ◆札幌の今季リーグ戦ハットトリック 3月5日第2節アウェー岐阜戦で、FW都倉賢が前半22分、35分、41分にゴール。プロ12年目で自身初のハットトリックを達成した。チームは4-0で勝利。