湘南ベルマーレMF奈良輪雄太(29)が、16年に加入後、2季目でリーグ戦初ゴールを決めた。

 後半31分、DF岡本拓也の浮き球パスに反応して右サイドを一気に抜け出すと、そのまま右足を豪快に振り抜いた。弾丸のようなシュートが、左ゴールネットに突き刺さった。試合後「(抜け出したタイミングは)多分、オフサイドです」と言って、取材陣を笑わせた。

 ただ、その次の瞬間、表情を引き締めた。「試合に絡んでいくためには、オフェンス面で、本当に目に見える結果を出さないと、と日々、自分にハッパをかけてトレーニングをやっています。シュートはイメージ通り、練習通りだったというわけでないけれど、あそこに走れたことが良かった」と、覚悟の一撃だったことを強調した。

 「湘南に来るまで、あそこでボールを受ける感覚はなかった。今年で30歳という節目の年ではありますけども、まだまだ成長できる実感はあります」と、湘南での成長を実感している。「ゴールを決めた後、心も体もいい状態でプレーが出来た。シュートを決めたり決定的なクロスを上げると自信が出る。意識してやっていきたい」と語った。

 湘南での初ゴールが飛び出し「ゴールパフォーマンスはリーグ戦初。どうすれば良いか分からなかったので、誰かに教えてもらいたい」と笑った。戸惑う中、サポーターが今年、作ってくれた応援歌が巻き起こった。サザンオールスターズの「勝手にシンドバッド」をモチーフにした

 <歌詞>ナ~ラワ、ナラワ、ナ~ラワ

の大合唱を聞き「今年から作ってもらって、少なからず去年より期待してもらっていると思う。サザン自体が好き。周りから『良くない?』って言われます。ありがたいですね」と感謝した。アップテンポでハイテンションな「勝手にシンドバッド」のごとく、今季の奈良輪は攻める。【村上幸将】