北海道コンサドーレ札幌に、来月正式加入する「タイのメッシ」ことタイ代表MFチャナティップ・ソングラシン(23)が21日、チームに合流した。午前中に札幌・宮の沢の練習場でランニングなど軽めのメニューをこなし、この日の夜に行われた天皇杯を観戦。休養日を挟み、明日23日には全体練習に合流予定で、7月の日本デビューを目指す。

 “ほほ笑みの国”からやって来た小さな英雄が、さっそくチームメートと札幌サポーターの心をつかんだ。前日20日夜に来日したばかりのタイ代表MFチャナティップは「初めての環境で、恥ずかしい」と照れくさそうな笑みを浮かべ、集まった報道陣やサポーターに両手を合わせてお辞儀をしながら、札幌・宮の沢の練習場のピッチに足を踏み入れた。

 ゴール運びなど練習の準備を積極的に手伝い、休憩を挟みながら30分ほどランニング。この後、強化部の鈴木智樹スカウトとパス交換を行い、完全別メニューで初日を終了。練習相手を務めた元札幌MFの鈴木スカウトは「うまいなぁって、すぐに感じました。(ボールタッチが)柔らかくて、(小野)伸二さんに似た感じ。ボールに回転をかけたり、ちょっとしたパス交換でも、いろいろなことが出来る」と感嘆した。

 この日は夜に天皇杯を控えていたことから、試合に出場しないメンバーのみが練習に参加。クラブハウスでは選手やスタッフにタイで購入したお土産を配るなど、新たな仲間に心を配った。同い年のMF荒野は「通訳がいない中でもコミュニケーションを取れるような環境を作りたい」と、サポートを約束。1・5列目より前での活躍に期待を寄せる四方田監督は「攻撃陣が活性化してくれるといい」と、競争激化を歓迎した。

 現在、右足の甲を負傷中も、程度は軽く、明日23日には全体練習に合流する見込み。身長158センチの小さな体に、同国初のJリーガーとして期待を背負う背番号18は「日本は組織的でパスも速い。チームのスピードに自分のリズムが合うよう、一生懸命、頑張る」と、気持ちを奮い立たせた。【中島宙恵】