川崎フロンターレのMF阿部浩之(28)が5日の浦和レッズ戦でシーズン自己最多の8ゴール目を挙げた。アシストも「6」で、昨季の3倍増。J1得点ランクもチームメートのFW小林悠(29)とともに2位タイとなった。

 【左足での得点多い】

 今季からガンバ大阪から加入し、J1通算24得点。右利きだが、得点の内訳は右足で8点、左足はその倍の16点。今季に限れば右4点、左4点だ。阿部は「データを見ると左利きなんかな…。いや、余裕で右利き」と笑う。小学時代、左右両足でボールを蹴る指導を受けたことを明かし「小学生の時からシュートは左の方がうまかった気がする。両足使えると、相手の状況によってプレーの選択肢が増えるし、そこは自分のストロング」と胸を張った。

 【川崎Fでは頭も?】

 まだ、頭の得点はない。「だってクロス、自分に上げてくれないんだもん(笑い)。いい位置に入ってんねんで。入り方もちゃんとやってんねんで!」と猛アピール。「ニアだったら頭でも逆に入りやすいとは思うけど。それはね、クロッサー(クロスをあげる人)が確率高いところに上げてるから。練習からボチボチね。川崎で、頭(の得点)もあるんじゃないですか」。

 【高い決定率とアシスト】

 今季は28本のシュートで8得点と、決定率も自己最高の2割8分6厘だ。得点ランク1位の浦和レッズFW興梠慎三が、シュート45本で12得点で決定率は2割6分6厘だ。阿部が7得点を挙げた14年は1割1分7厘だった。決定率も急激にアップしている。「シュートの感覚はずっと一緒やし、ガンバの時からシュート練習からイメージ通り打てているし、シュートが別にうまくなったというわけではない」と話す。決定力アップの要因はポジションだ。G大阪時代はサイドでの起用だったが、川崎Fでは1トップや両サイドを流動的にプレーしている。「前は1試合に1本、打てるか打てないか…だったから、自分の形でなくてもいっちゃったり。今は前の位置だから」。アシストが増えたのも前のポジションだからだと分析する。「前で出ているからこそ、より決定的なパスが出せる。前はサイドだったから、クロスが多かった。それは増えるでしょうね」。

 決定率を見た瞬間「野球やったら微妙やな…」とポツリ。微妙ではございません。プロ野球打率(7月5日現在)を調べてみると、セ・パ両リーグで14位相当。ちなみにDeNAの筒香嘉智(2割7分3厘)、巨人の長野久義(2割7分2厘)より上でした。【岩田千代巳】