東京ヴェルディのミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(60)は、カマタマーレ讃岐戦後の会見で「うまくいっていない。システムを変える、もしくは選手を替える…何か決断を下さないといけない時期なのかなと思います」とチーム改造の可能性を口にした。

 この日は開始直後からピリッとせず、前線でボールを失っては讃岐のカウンターを食い、中盤で止めきれず、自陣最深部まで押し込まれる展開を繰り返した。同5分に相手ロングスローのこぼれ球を押し込まれて先制を許すと、同37分にもドリブルで仕掛けられ、あっさりゴールを許した。

 前半44分にGKが弾いたボールがFWアラン・ピニェイロの体に当たって入り1点差とすると、後半17分にはMF中後雅喜が、壁に弾かれた自らのFKのこぼれ球を右足でアウト気味にかけて同点。勢いを奪いかけたが、後半37分に再びカウンターから失点。同41分にピニェイロのヘッドで何とか追いついた。

 ロティーナ監督は「特に前半はいいプレーが出来なかった。(讃岐が)強いプレスをかけてきて、はがすプレーが出来ず簡単に失点した。後半はプレスをかわし、相手のエリアに入って決定機を作った。2-2になった時に勝つチャンスがあると思ったが、その後カウンターを食った。前半の内容を考えると引き分けは妥当な結果だが、改善しなければならない点が見えた試合」と分析した。

 1日のロアッソ熊本戦に0-4で大敗して以降、7月は2分け2敗と苦境が続いている。ホームでは、9日のファジアーノ岡山戦でも相手のコンパクトな守備を崩せず1-1で引き分けたのに続き2戦連続で引き分けた。ロティーナ監督は「サッカーではいいプレーよりエリアでのプレーが1番重要。攻撃面ではゴールを奪う、守備面では奪わせない」と攻守両面での詰めの甘さに苦言を呈した。

 ロティーナ監督のチーム改造宣言を伝え聞いた元日本代表DF永田充は「1人1人が意識を高くやるしかない。DFとして3点取られたのは痛かった。反省したい」と猛省した。中後も「結果もついてきていない状況。僕もケガもあって、なかなか出られなかった。いい競争をしてチームに厚みが出来る。優勝するチームは競争が常にある。そういうチームになりたい」と語った。国内最多19冠を制した鹿島アントラーズでデビューし、学んだ勝者のメンタリティーが言葉からにじんだ。【村上幸将】