FC東京にも、来日中の香港メディアが合同取材に訪れた。28日、小平グラウンドでの練習後にFW永井謙佑(28)MF高萩洋次郎(30)FWピーター・ウタカ(33)篠田善之監督(46)の順に対応。永井は13年にベルギー1部スタンダールに移籍した時のことについて「スタンダールでは、そこそこの成績しか残せませんでした(同年8月に3試合無得点で名古屋へ復帰)。どこに問題があったんですか」とズバリ質問されて苦笑い。「環境も変わったし、確かに点は取れなかったです。でも、フィジカル面など海外で強くなった部分もあると思う」と丁寧に答えていた。

 高萩は「広島時代は金髪でしたが、なぜやめたんですか?」と聞かれ「子供が生まれて、お父さんになったからです。そういうことはできなくなった」と返して笑わせた。中国リーグの3クラブを渡り歩いたウタカは英語で取材対応。「中国ではヂャン・フェイ(三国志の張飛)という愛称でしたね」と声を掛けられると「懐かしいね。中国では有名なファイターの名前で呼ばれていたんだ」と爆笑した。取材が終わると、それぞれに御礼の品としてUSBメモリーが手渡されていた。

 このほか、現在リーグ10位のFC東京が浮上していくためのプラン、タイ人MFジャキット(20)を獲得した狙い、大久保嘉ら大型補強による化学反応など、次々と質問をぶつけた香港メディア。大手新聞社3社の8人で構成され、一行の1人は「東京の練習場には(ドイツ1部)マインツに移籍した武藤嘉紀選手のトレーニング最終日(15年6月26日)以来、約2年ぶりに来ました」と説明。その上で「今回は新たに大久保嘉人選手がいるはずだったのですが(風邪で)不在とは…。残念」と話し、次の取材先の味の素スタジアムへ向かっていった。

 香港では週2、3試合、J1リーグの試合が生中継されている。イングランドのプレミアリーグやイタリアのセリエA人気には及ばないものの、徐々に注目度が高まっており、日本代表選手なら大半の名前が知れ渡っているという。今回のツアーで一行はヴィッセル神戸、鹿島アントラーズ、柏レイソルの練習とホームスタジアムを見学。29日は元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキ(32)のJデビュー戦、ヴィッセル神戸-大宮アルディージャ戦(ノエスタ)を取材する。30日には再び都内へ戻ってFC東京-アルビレックス新潟戦(味スタ)を取材、31日に帰国する行程という。