大宮アルディージャが1日、さいたま市内で5日の浦和レッズ戦に向け調整を行った。

 さいたまダービーを前に、練習で大宮の伊藤彰監督(44)の雷が落ちた。

 走りながら縦にパスをつなぐフィジカルを含めたトレーニングの時だった。パススピード、各選手の走る速度が上がらず、雰囲気の緩みを察知した指揮官が大声で怒鳴り始めた。「ユースでも簡単にできるんだよ! 君たちはプロフェッショナルだよね! お金もらってやってるんだよね!」。

 さらに、直近3試合で勝ち点1の現状をあげ「君たちは勝たなくちゃいけないんだよね。だったら練習からランニングの質、クオリティーを上げていかないといけない」とたたみかけ、カツを入れた。

練習後、伊藤監督は「(神戸に負けて)落ち込んでいることは確かだけど、気持ちの切り替えはしないと。それができてなかったら、こちらから切り替えさせないと。僕自身、タランとした雰囲気が嫌いだし、良くなかったので」と説明した。

 今季、大宮も浦和も監督がシーズン途中で交代した。1シーズンで新指揮官同士で挑む「いまだかつてないダービー」となる。浦和の堀新監督の戦術が不透明なだけに、伊藤監督は「相手が3バックなのか、4バックでくるのか。両方、考えないといけない」と警戒。監督の交代が、チームに勢いをもたらす力になることは経験済みだ。それだけに「うちも同じ状況でパワーが入った。クオリティーのあるチームにパワーが加わるのは、やりづらい。それ以上にパワーを出していかないと」と話した。