またも白星を逃した。最下位のアルビレックス新潟は首位鹿島アントラーズに前半2-0とリードしながら、後半4失点で悪夢の逆転負け。14試合未勝利になった。前半5分にFWドウグラス・タンキ(23)が先制ゴール。同45分にはMFホニ(22)が2点目を決めたが、後半は防戦一方に。鹿島のMFレアンドロ(24)にハットトリックを許し、終了間際にはPKでダメ押しされた。勝ち点11のままで、降格圏脱出には残り8試合で勝ち点12差と開き、J1残留への道はますます厳しくなった。

 欲しかった勝利がまたしても逃げていった。前半に奪った2点のリードを、首位鹿島に後半にあっさりと返された。それもハットトリックで逆転された。後半44分にはPKも決められた。「選手は自分たちのできることをやってくれた」。呂比須ワグナー監督(48)は前半の健闘を評価した。ただ、「もう少し体を張って勝負する強さが必要だった」と後半の4失点を悔やんだ。

 立ちあがりは新潟のペースだった。口火を切ったのはドウグラス・タンキだ。前半5分、MF小川佳純(33)の左からのクロスに走り込み、鹿島のGK曽ケ端準(38)のブロックを打ち破るようにして左足でねじ込む。前半終了間際にはホニが見せた。MF磯村亮太(26)の左クロスを、逆サイドに走り込んで、体に当てるようにしてゴールマウスに入れる。

 ドウグラス・タンキは仙台戦以来、3試合ぶりで今季2得点目。ホニは新潟が前回勝利を挙げた札幌戦以来14試合ぶりの4点目だ。だが、得点源の2人のゴールゲットも、結果的に不完全燃焼に終わった。

 鹿島からの2得点で攻撃力に手ごたえはあったが、リードを守りきれないひ弱さを露呈。小川は「全員が役割を見直さないと」。残り8試合。J1残留のために残された機会は少ない。【斎藤慎一郎】

 ▼最下位の新潟が首位の鹿島から大金星を逃した。前節最下位のチームが同首位に勝てば、年間34試合制となった05年以降では8度目の下克上だった。今回のように最下位だった新潟が首位チームと戦ったケースは、08年4月2日のホームでの鹿島戦があるが、そのときも0-2で敗れていた。