湘南ベルマーレFW野田隆之介(29)が、水戸ホーリーホック戦の後半から途中出場し同10分に、5月21日の松本山雅戦以来21試合ぶりの今季2点目となる、決勝ゴールを決めた。

 野田は右サイドのMF藤田征也(30)にパスを出すと、猛然とペナルティーエリア内に飛び込んだ。そして、藤田のクロスをDFがはじいたこぼれ球を左足で決めた。ゴールを決めた直後は、しゃがみ込んで歓喜した。

 野田は試合後、ゴールについて「みんなが関わった形で取れたゴール…こぼれ球ですけど。征也君が深くえぐって、いいところに(ボールが)こぼれてきた。何とか自分のものにしようと思った」と振り返った。しゃがみ込んだことについては「コケてしまったので、そのまま喜ぼうと。みんな来てくれたので、うれしかった」と笑みがこぼれた。

 今季、名古屋グランパスから完全移籍で湘南に加入した。名古屋時代は、ケガとの戦いだった。サガン鳥栖から移籍した14年6月に、左ひざ軟骨損傷および脛骨(けいこつ)内反変形の治療で長期離脱を余儀なくされた。そこから復帰した直後の15年10月には、右大腿(だいたい)骨頸部(けいぶ)を疲労骨折するなど故障がちで、真価を発揮できなかった。湘南に加入後も、縦に速いなど独自の“湘南スタイル”の適応に時間を要し、出場機会に恵まれなかった。曹貴裁監督(48)は「野田は、本当にずっと僕に怒られてばっかりですけど、怒って良かった」と笑った。

 次節15日の名古屋戦で湘南が勝ち、V・ファーレン長崎がレノファ山口FCに負けた場合、湘南の1年でのJ1復帰が決まる。古巣名古屋との試合が大一番になることについて聞かれると「特にないですけど。やっぱり楢崎正剛から、何かしら…爪痕は残したい」と言い、意味深な笑みを浮かべた。「ゴールを決めたい?」と聞かれると「決めると言ったら、あれなんで…ナラさんと会えたらうれしいです」と言い、笑みを浮かべてスタジアムを後にした。【村上幸将】