清水エスパルスは今日18日、J1残留を懸けてホームで北海道コンサドーレ札幌と対戦する。勝って16位サンフレッチェ広島が敗れれば、残留が決定。この状況下、ケガから復帰したエースFW鄭大世(33)が17日、先発出場を志願した。チームはホーム5連敗、リーグ4戦連続無得点だが、自身のゴールで悪い流れを断ち切る決意だ。

 

 清水三保グラウンド。決戦に向けた非公開練習は、明るい日差しのもとで行われた。小林伸二監督(57)から「調子はどう?」と声を掛けられた鄭は「バッチリです。(札幌戦で)スタートからいきたい」と先発を直訴したという。戦列復帰して間もないため、途中出場が濃厚だが、エースの気持ちを知った指揮官は「それくらい言えるのは、いい状態ということ。不安がないんだと思う」と歓迎していた。

 清水が札幌に勝利し、16位広島が神戸に敗れればJ1残留が決まる。鄭は強い口調で言った。「残り3試合しかなくて、ケガがとか、ビビっていられない」。10月14日、ホーム磐田戦(0-3)で右膝内側側副靱帯(じんたい)を損傷した。全治4週間と診断されたが、予定より早く11月に入って練習に合流。患部にはテーピングがしっかりと施されているが、右足で力強いシュートを放っている。

 チームは深刻な得点力不足だ。4戦連続無得点は、2009年11~12月と並んでクラブワーストタイ。次節も無得点の場合、不名誉な記録が残ることになる。J1での札幌戦はホーム無敗だが、一方で昨季からの公式戦では4戦4敗。鄭は「相性は悪いと思う」と振り返った。

 だが、勝つためにはゴールが必要。鄭は言った。「『絶対に決める』とは言わない。でも、『ゴールを決められたらいいな』とは思う。先発でも、途中出場でも決められる能力はある」。J1残留は、勝って決めにいく。【保坂恭子】