J2年間3位の名古屋グランパスが、同6位のジェフユナイテッド千葉に先制を許しながら、後半のMF田口泰士(26)の同点弾、FWシモビッチ(26)の3発で逆転勝ちした。12月3日の決勝は、5位東京ヴェルディに1-0で勝った4位のアビスパ福岡と対戦する。

 今季、リーグ戦は千葉が2連勝で迎えた1戦は、名古屋が千葉の高いDFラインの裏を突き、一方の千葉は名古屋の攻撃を組み立てるMFガブリエル・シャビエル(24)、199センチの長身を徹底的に潰しては、カウンターを仕掛け、一進一退の展開が続いた。

 その中、前半25分、名古屋が決定的なチャンスをつかんだ。右コーナー付近でボールをキープしたシャビエルがペナルティーエリア手前にいたMF田口泰士(26)にパス。そのパスを田口がゴール前にフワリと上げると、シモビッチが飛び込みヘッド。GK佐藤優也(31)のビッグセーブでゴールを割ることは出来なかった。同32分には名古屋が、左からのペナルティーエリア右手前で受けたシャビエルが折り返したボールに、DF青木亮太(21)がフリーで飛び込み、シュートも枠を外した。

 迎えた前半ロスタイム2分に、千葉が先制した。MF町田也真人(27)の左ショートCKを受けたMF為田大貴(24)がクロスを上げると、FWラリベイ(33)が飛び込んで左足で押し込んだ。プレーオフ進出を決めた最終節までの怒濤(どとう)の7連勝で6発を決めた、頼れるエースが大一番で結果を出した。

 後半、このままでは敗退が決まる名古屋が逆襲した。後半16分、右サイドを上がったシモビッチのパスが1度はDFにクリアされたが、こぼれ球を拾った田口が、シュートをゴール右に流し込み追いついた。

 同21分には、GK武田洋平(30)のロングキックに走り込んだシモビッチがDFと競り合う中、飛び出した千葉GK佐藤をかわして、そのまま無人のゴールに右足で流し込み逆転。シモビッチはゴール裏のサポーターの大歓声に、両手を広げて応えた。同41分には再びシモビッチが、青木のパスを右足で押し込んで、この日、2ゴール目を決めた。

 後半44分には千葉がPKを獲得し、ラリベイがこの日2点目を決めて1点差。ロスタイム5分の表示に、千葉はDF近藤直也主将(33)まで上がり、パワープレーを仕掛けた。

 その中、ロスタイム6分に名古屋が、とどめの4点目を決めた。青木がペナルティーエリア内で倒されて得たPKをシモビッチが落ち着いて決めてハットトリックを達成。激闘に終止符を打った。