アルビレックス新潟は5日、今季新加入のブラジル人選手2人の会見をデンカビッグスワンスタジアムで開いた。元ブラジル代表GKアレックス・ムラーリャ(28)と、U-20、21代表の経験があるFWターレス(22)だ。1シーズンでJ1復帰を狙うチームに頼もしい戦力の加入。4日に来日し、会見後に高知入り。きょう6日から高知・春野キャンプに合流する。

 デンカビッグスワンスタジアムのピッチには雪が高く積もっていた。しかし、新加入の元ブラジル代表GKは熱く、気合が入っていた。「15年から自分のパーソナルスタイル。ブランド」というモヒカン刈りと長いひげに覆われた口から開口一番、日本語が飛び出した。「こんにちは」。13年にはJ1湘南に所属した経験者だけに、日本の生活は経験済みだ。「寒い雪の中だが、このスタジアムにたくさんのファンが駆けつけ応援している中で、プレーするのをイメージしている」。新潟のサポーターが熱いのも、知っていた。

 慌ただしい日程を消化して、夕方にはチームがキャンプを張る高知に飛び立った。4日夕に来日し、新潟入りしたのは午後11時過ぎ。この日午前はメディカルチェックを受け、午後3時すぎの会見に臨んだ。高知・春野キャンプはすでに終盤に入っているが「GKにとってコミュニケーションは大切。短くコンパクトに伝えることを目指したい」と言った。

 失点を減らすことが今季、チームの重要なテーマだった。その構想に沿って獲得したのが、ブラジルの名門フラメンゴに所属していたアレックス・ムラーリャだ。木村康彦強化部長(50)は「GKの補強は必要だった。実際にヨーロッパに行くなど、多くの選手をリストアップしたが、獲得できる選手でアレックス(ムラーリャ)がベストだった」と言う。元ブラジル代表GKはシュートストップの技術が高く、ボールへの反応が速い。

 「1回目の日本の経験はよかった。日本に帰ってくるチャンスをずっと待っていた」。そんな言葉を使って新潟加入を喜ぶアレックス・ムラーリャは、決意を込めて言った。「J2の中で失点数が一番少ないチームに持っていきたい」。元ブラジル代表GKは、ボールに向かって全身を投げ出す覚悟だった。【涌井幹雄】

 ◆アレックス・ムラーリャ 1989年11月10日生まれ。元ブラジル代表。13年の湘南ではJ1リーグ12試合出場。前登録はフラメンゴ。189センチ、87キロ。背番号は38。