次世代ジャパンのオールラウンダーが、いよいよ本領を発揮する。ベガルタ仙台のDF板倉滉(20)が、10日に行われるサンフレッチェ広島との練習試合にボランチとして出場することが濃厚となった。7日、宮崎県延岡市の西階陸上競技場で行われたミニゲームで、今キャンプ初めてボランチに起用され奥埜博亮(28)、富田晋伍(31)とコンビを組み軽快な動きで連係をアピールした。

 森保ジャパン公式戦第1号をマークするなど、センターバックとしての実力はすでに代表戦の活躍などで実証済みだが、仙台渡辺晋監督(44)はこの日、本来のボランチでテスト。「守備面ではしっかりつぶせるし高さがあるのでボールをはじける。そつなくこなしていたし、さすがだなと感じました」と評価した。

 186センチの長身から繰り出すヘディングで制空権を握るだけでなく、川崎Fの下部組織で鍛えられた足元の技術も高く、対人の強さを兼ね備えており、オールラウンドにプレーできる。W杯イヤーで過密日程となる今季、渡辺監督は複数ポジションを各選手に課し、シーズンを乗り越えたい考えだ。

 板倉は「ボールを受けに後ろに下がりすぎて、自分のところでボールを引き出せなかった。攻撃の部分でも見えている部分が少なかった。もっと全体がみえるように起点となっていきたい」と修正点を口にした。攻撃陣による居残りシュート練習にも飛び入り参加。「ずっと続けてきたことですしシュート練習は好きなので。チャンスで決めたいのでキックの練習は意識して取り組んでいます」。FWまで視野に入れる万能男が、次はボランチで、評価を上げる。【下田雄一】