J2アルビレックス新潟は高知1次キャンプ最終日の今日10日、練習試合で愛媛と対戦する。9日は最後の全体練習を春野総合運動公園で行った。MF加藤大(26)がリーダーシップを発揮する。今キャンプの練習試合では、すべてキャプテンマークを巻いてピッチに入った。新潟生え抜きで今年が9年目のシーズン、エースナンバーの背番号10をつけるなど、存在感が増している。1次キャンプの締めくくりに隙のないプレーを披露する。

 鋭い視線でゴールを見据え、MF加藤がサイドを駆け上がった。シュートのこぼれ球を狙い、自分の足下にボールが来たときは迷いなくゴールマウスを狙う。

 午前10時から1時間半の全体練習後、10分間限定で自主トレが行われた。加藤はFW、MF陣とともにパスからの突破、シュートを繰り返した。「ここまで内容重視だったけど、愛媛戦は勝ち切る試合をしたい」。愛媛戦は高知キャンプの集大成。鈴木政一監督(63)が掲げる「クリエーティブでアグレッシブな攻撃サッカー」を意識し、仕上げてきた。それを内容と結果の両方で確かめる場が愛媛戦だ。

 ここまで、高知での練習試合5試合すべてキャプテンマークを巻いた。「次(愛媛戦)は分かりませんよ」と言うが、鈴木監督のゲーム主将とチーム主将の2人を置く方針のもと、どちらかの候補になることは確実視されている。

 練習試合には「ミスを少なくし、攻守のバランスを整える」と個人的なテーマを持って臨んだ。チームメートにも気が付いた点はピッチ内で指摘。プレーの共有意識を重視する鈴木監督の考えを率先して実行した。宿舎でも体調管理を怠らない。風邪気味だと感じたら、午後10時には就寝。体力が落ちないよう、食事を多めに取るようにした。「今までそこまで考えたことはなかったんですけどね」と照れ笑い。新潟生え抜きで9年目。中堅からベテランの域に入る年代になった。背番号は5年間つけた13からエースナンバーの10に。キャプテンマークを巻く資質は備わった。

 昨季はボランチでのプレーが中心だった。このキャンプでは、ボランチからサイドハーフに回るケースが多かった。愛媛戦も右サイドハーフでのスタメンが予想される。鈴木監督は「右に置いて、内に入ってのシュートが見たい」と期待する。加藤も「守備を意識しながら、自分のところでチャンスが来たら仕掛けていく」と役割は分かっている。今季の絶対目標はJ1復帰。そこに向けた好感触を高知での最終日に確認する。【斎藤慎一郎】

 ◆加藤大(かとう・まさる)1991年(平3)5月7日生まれ、福岡県出身。南平高では三菱養和SCに所属。10年にU-19日本代表入りし、U-19アジア選手権に出場。同年、新潟に入団。12、13年は愛媛に期限付き移籍し、14年に新潟に復帰。昨季はJ1で自己最多の33試合に出場。175センチ、70キロ。