ルヴァン杯の初勝利はならなかった。北海道コンサドーレ札幌は清水エスパルスに1-2の逆転負けを喫し、同杯3連敗となった。前半24分にFWヘイス(28)が今季初ゴールを決め先制。チームにとってもルヴァン杯3戦目で初得点を挙げたが、前半終了間際に同点に追いつかれ、後半23分にFW鄭大世に決勝ゴールを奪われた。6試合で争う1次リーグで、苦しい折り返しとなった。

 日本平の夜空に上がった清水の勝利を祝う花火の音が耳に痛い。今季、ルヴァン杯3試合目でチーム初得点を決めたが、逆転で3連敗。試合が終わると、ガックリと肩を落としてベンチに引き揚げた。ミハイロ・ペトロビッチ監督(60)は「リードの展開でもったいなかった」と、悔しそうな表情で振り返った。

 FWヘイスの今季初ゴールは空砲に終わった。0-0の前半24分、右サイドに深く切り込んだMF宮吉がグラウンダーでマイナスのクロス。ファーサイドで構えていたヘイスは落ち着いて右足でシュートを放ち、ネットを揺らした。「宮吉がよく見てくれて、良いパスを出してくれた」。会心のガッツポーズを決め、集まった仲間と肩を組み合い喜んだ。だが、前半46分にわずかなスペースを突かれ同点を許し、後半23分に右CKから決勝点を献上した。

 ペトロビッチ監督が「狙った形は多く出せた」と言ったように押していた。シュート数は相手と同じ10本。今季、初めて右ウイングバックでスタメン出場した宮吉は相手サイドバックが上がったスペースに入り込み何度もチャンスを演出。291日ぶりに公式戦に復帰したMFジュリーニョは4本のシュート。右ポストに阻まれる惜しい場面もあった。宮吉は「満足ではないが少しずつ良い方向に向かっている」と話した。

 W杯(ワールドカップ)中断前のラスト5月20日アウェー神戸戦まで、毎週末と水曜に公式戦に臨む過酷日程は始まったばかり。ルヴァン杯は苦しい3連敗ながら、今季から取り組む“ミシャサッカー”をチーム全体で共有している手応えはある。「チャンスを得点に結びつける割合を上げていかないといけない」と指揮官。明確な課題をクリアしていく。【西塚祐司】