湘南ベルマーレの曹貴裁監督(49)は、一時は3-1とリードしながら撃ち合いの末、引き分けた横浜F・マリノス戦後の会見で「はっきりしたのは、我々はまだ完全に成熟した大人ではなくて、子ども」と評した。

 その上で「指揮をしているのは僕だし、監督のマネジメントを含めて、まだまだ幼いなと。『少年よ大志を抱け』じゃないですけど、彼らは大志だけ抱いていると思っている。目をキラキラした少年の時代から大人になって、そこから世の中を変えていけるような選手になってもらいたい」と語った。選手にも試合後、ロッカールームで「今日は、子どもだったな」と伝えたという。

 質疑応答の中で、記者から、試合の中で具体的にどこが子どもだと反省すべき場面だったか? と問われると、曹監督は「3-1の後の、時間の使い方ですよね」と即答した。1-1の前半28分、MF菊地俊介(26)が、ゴールから30メートル強離れた右サイドからDFのクリアミスをダイレクトに蹴り、ロングシュートを決めて勝ち越した。

 さらに同41分、右からの浮き球パスに抜け出したFWアレン・ステバノヴィッチ(27)が、GKとの1対1を制し2点差とした。そこから同44分、右サイドを2連続で崩され、横浜DF山中亮輔のパスからFWウーゴ・ヴィエイラ(29)に1分間で2点も決められた。DF陣は慌てたのか、完全に“お見合い状態”だった。

 曹監督は「一言で言うと、慌てる必要は全くなかった。マリノスさんが2点差をつけられて当然、リスクを冒して前に出てきているのは分かっているのに、我々はその状況を読み切れなかった。多分、選手も前半で3点、取れると思っていない。そこは選手の責任という話ではなく、僕の指示、やり方とかマインドに擦り込むようなことを、準備しておけば良かったんですけど…」と振り返った。

 その上で「相手の状況を読んでフットボールをしていかないといけない時間帯もある。そういう意味では、落ち着きがなかった。逆に後半は、ボールを持たれましたけど、そういった破綻が少なかった。そういうのを前半、あの時間でやらなければいけなかった」と反省した。【村上幸将】