川崎フロンターレがサガン鳥栖を終始、圧倒も決めきれず、スコアレスドローに終わった。鳥栖の元スペイン代表FWフェルナンドトーレス(34)は、Jリーグ6戦目も不発に終わった。

 トーレスにとって、Jリーグ6試合目で初の関東での試合となった。前半6分、MF原川力が後方から右方向に出したパスに反応し飛び出したが、DF登里享平らに阻まれ、抜け出せなかった。前半20分にはセンターサークルの川崎陣内寄りでプレスをかけてボールを奪うと、すかさず左にパスしたが、DFに奪われ、味方には通らなかった。

 前半34分には、後方から浮き球パスをDFが弾いたこぼれ球がペナルティーエリア手前に転がってきた。“絶好球”だったが、動きだしが遅れ、拾えなかった。トーレスは自らにいら立ったのか、両手で頭をたたいて気合を入れた。直後の同36分には、ペナルティーエリア右手前にいたFW金崎夢生が落としたボールを、左サイドを走るFW小野裕二に1発で通した。鋭く、正確で強いサイドチェンジに、等々力競技場のスタンドが沸いた。

 一方、川崎Fは前半15分、MF大島僚太のパスをMF中村憲剛がヒールで出したボールを、左から切り込んだMF阿部浩之がシュートも、枠を外した。その後も主導権を握り、パスを回し続けるが、最後の決定機を決めきれない。同41分にはMF守田英正のパスを受けた大島が左サイドに出したパスに走り込んだ阿部がシュートも、枠を外した。

 後半も、川崎が主導権を握り、決定機を連続で作ったが決めきれない展開が続いた。後半15分、守田がトーレスへの横パスを奪うと左サイドの阿部にパスし、阿部のクロスボールをFW小林悠がヘッドで合わせるも、わずかに枠を外した。同16分には阿部が右サイドに出したスルーパスを受けたDFエウシーニョがGK権田修一との1対1からシュートも、弾かれ、こぼれ球をMF家長昭博がシュートも枠を大きく外した。

 後半42分には、大島がペナルティーエリア内で途中出場のFW斎藤学に決定的なパスを通したが、斎藤のシュートは枠を外し、2人はそろってピッチに倒れ込んだ。同45分にも途中出場のFW知念慶がゴール正面やや左でターンしてシュートも、GKに阻まれた。

 ロスタイム4分には、途中出場のMF鈴木雄斗がドリブルで突破し、シュートも決めきれず、つないだ知念が倒され、FKを獲得。そのFKを大島が軽く出し、知念がシュートもGKに止められ、試合終了のホイッスルがむなしく鳴り響いた。