ヴィッセル神戸のスペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(34)が、Jリーグ5試合目で初のアウェー戦となった、湘南ベルマーレ戦に先発し、前半37分にMF三田啓貴(27)の先制ゴールを演出するパスを出した。

 神戸は後半31分、途中出場のルーキーMF郷家友太(19)のJ1初ゴールも飛び出し、快勝した。

 イニエスタのファーストタッチは、前半3分過ぎ。左サイドでFW古橋亨梧からパスを受けると、すかさず湘南MF斉藤未月が激しく寄せてきた。ヒラッとかわしただけでスタンドは沸いたが、続けてMF岡本拓也に寄せられ、古橋にボールを折り返すことは出来なかった。

 前半16分には中央でボールをキープすると、寄せてきた相手選手をかわし、右前方に抜け出した三田にパス。三田がパスを送った古橋のシュートはDFに弾かれたが、決定機を演出した。

 前半22分、イニエスタはアクシデントに襲われた。ピッチ中央から左足でパスを出したタイミングで、マッチアップしていた斉藤がプレスをかけてきて接触。イニエスタは左ひざを押さえてその場に倒れ込み、もん絶。その後、斉藤の足が直接、当たったとみられる左すねをさすり、立ち上がるとスタッフ2人とともにピッチを出た。その後、ピッチ脇で軽く屈伸を行い、同25分にピッチに戻ると、競技場の各所から拍手が起きた。

 迎えた前半37分、イニエスタが先制点を演出した。中央やや左からペナルティーエリア右に柔らかく浮き球パスを送ると、13日にガンバ大阪から加入し、神戸での先発デビューとなったFW長沢駿が頭で落とした。そこに走り込んだ三田が左足で切り返してDF2人をかわすと、左足で決めた。

 後半は湘南が押し返した。5分、FW山崎凌吾の右からの折り返しを、後半開始から途中出場のFWアレン・ステバノヴィッチが、GKがキム・スンギュが飛び出し、無人のゴールにシュートも、DF渡部博文にクリアされた。同18、19分にはFW石川俊輝が連続でシュートも、わずかにゴールに及ばなかった。

 迎えた後半31分、神戸が追加点を挙げた。後半開始から途中出場の郷家が、ポドルスキが右サイドをドリブル突破して放ったシュートをGKが弾いたこぼれ球に詰め、右足で押し込んだ。

 イニエスタは、バルセロナ時代の11年1月8日のデポルティボ戦、同16日のマラガ戦、同22日のラシン戦で決めて以来、7年7カ月ぶり2度目の3戦連続ゴールがかかっていたが、ならなかった。