J1浦和レッズが、J2東京ヴェルディの巧みなパス回しに苦しみながらも、FWファブリシオ(28)の公式戦3戦連続ゴールで競り勝った。

 1993年の開幕からJリーグに参戦する「オリジナル10」同士の対戦となったが、東京Vが2008年にJ1で17位となり、翌09年以降、J2で戦っており、浦和が2-1で勝った11年11月16日の天皇杯3回戦以来、6年9カ月ぶりの対戦となった。

 東京Vは0-0で引き分けた18日の大分トリニータとのホーム戦から、先発全員を入れ替えて望んだ。GK柴崎貴広、この日対戦した浦和で16年までプレーした元日本代表DF永田充、DF香川勇気は今季、リーグ戦の出場は0。元日本代表MF橋本英郎も今季、リーグ戦は4試合、全て途中出場にとどまり、6月10日のアルビレックス新潟戦を最後に、リーグ戦の出場はない。ジェフユナイテッド千葉とのリーグ戦を3日後に控え、メンバーをターンオーバーしたのは明らかだった。

 一方、浦和は3-3で引き分けた19日の清水エスパルスとのアウェー戦から3人、先発を入れ替えた。同戦でベンチ外だったMF宇賀神友弥と森脇良太、後半14分から途中出場したMF柏木陽介が先発し、逆にフル出場したDF橋岡大樹がベンチに回り、1ゴールを決めたDF槙野智章はベンチを外れた。

 浦和が序盤は試合を支配した。前半7分、中央からドリブルで仕掛けたFWファブリシオが、思い切り良くシュートを放つも、枠を外した。13分にはMF武藤雄樹の左クロスに飛び込んだファブリシオがヘッドも、枠を捉えることが出来なかった。

 前半17分を回ったあたりから、東京Vが浦和のペースに慣れてきたのか、東京五輪世代のMF井上潮音を軸にパスを回し、反撃を開始。24分、井上が右から左へとドリブルで前進。DFに止められたが、左サイドでこぼれ球を拾ったFW林陵平の左クロスを、FWアラン・ピニェイロがシュートも枠を外した。同25分にも、左サイドから切り込んだピニェイロがシュートも、ポストを直撃した。同25分にも、右サイドのFW森俊介からのパスを受けたピニェイロがシュートも枠を外した。同39分にも香川の左クロスに林陵が飛び込んだが、ゴールはならなかった。

 後半も開始早々は、東京Vが井上を中心にボールを回しゲームを支配したが、先制したのは浦和だった。後半19分、DF岩波拓也の右クロスをファーサイドで待ち構えたFW興梠慎三が頭で折り返すと、ファブリシオが飛び込んで右足でゴール右に押し込んだ。ファブリシオは後半36分にも、センターサークル付近から、GK柴崎が何とかかき出したロングシュートを放つなど攻撃をけん引した。

 東京Vも、先制を許してからも一歩も引かなかった。後半27分にピニェイロに代えてエースのFWドウグラス・ヴィエイラを投入すると、同31分にヴィエイラがゴールをかすめるシュートを放った。同ロスタイム1分には右サイドを突破し、ゴール前に走り込んだMF李栄直にラストパスも、DFに阻まれた。試合はそのまま浦和が勝った。